。「あとからカーポートは設置できる?」「あとからカーポートを取り付けると費用はどれくらいかかる?」
このように疑問に感じていませんか。すでに一軒家が建っている状態からでもカーポートの設置は可能です。カーポートが家の前にあるとすぐにお出かけできるだけでなく、車を雨風から守れます。
本記事では、あとからカーポートを設置するときの注意点や費用相場、取り付け手順について解説します。自宅前にカーポートを設置して、快適な生活を手に入れましょう。
あとからカーポートを建てるときの注意点
あとからカーポートを建てる場合、事前に注意点を知っておく必要があります。注意点は以下の5つです。
- 建ぺい率に注意する
- 建築確認申請をしないと違法になる
- 埋設物がないかチェックする必要がある
- 残土処理の必要がある
- 家屋に近づけ過ぎない
順番に詳しく見ていきましょう。
建ぺい率に注意する
カーポートは建築物とみなされるため、住宅と合わせた建ぺい率に注意しましょう。建ぺい率とは、敷地面積に対する建築物の割合です。建築基準法により上限が定められています。カーポートの場合、以下の条件を満たせば緩和措置が適用され、一部を建築面積から除外できます。
- 外壁を有しない部分が4m以上
- 柱の間隔が2m以上
- 天井が2.1m以上
- 地階を除く階数が1
実際のところ、建ぺい率の上限を超えたとしても黙認されているケースはありますが、法令違反のため上限以内に収まるようにしましょう。
建築確認申請をしないと違法になる
カーポートは建築物のため、法令に適合しているかを確認する建築確認申請が必要です。建築確認申請の流れは以下の通りです。
- 自治体の建築主事へ建築確認申請を行う
- 建築確認済証が交付されたら工事を行う
- 工事中に中間検査を行う
- 完了後、建築主事による完了検査を受ける
- 検査済証が発行されたら保管する
施主でも建築確認申請を行えますが、配置図や強度計算などの書類を提出するため専門知識を要します。そのため、カーポートの施工業者に依頼する方法が一般的です。
埋設物がないかチェックする必要がある
施工の前に、地中に水道管やガス管などの埋設物がないかチェックしなくてはなりません。カーポートを設置するときは地中を55cm以上の穴を掘って柱を埋め込みます。柱を設置する場所に埋設物があると埋め込めません。地中に埋設物がある場合、柱か配管を移動させればカーポートを設置できます。
埋設物は以下の方法で確認しましょう。
- 住宅の設計図のチェック
- 水道局やガス会社に問い合わせ
- カーポート施工業者に依頼
スムーズな施工を行うために、あらかじめ地中に埋設物がないかチェックしましょう。
残土処理の必要がある
柱の基礎工事を行ったときに出てくる残土やコンクリート片などを処理しなくてはなりません。柱を埋めるときに55cm以上の穴を掘るため、残土や地中に埋まったコンクリート片のガラ(ゴミ)が出ます。カーポート柱1本あたり、コンクリート片のガラは土のう袋で約2袋、残土は約3袋分発生します。
鋭利なコンクリート片もあるため、産業廃棄物として処理しましょう。残土には砂利が含まれているものの、追肥すれば花壇に使用できます。
家屋に近づけ過ぎない
カーポートと家屋の距離に注意しましょう。主流の2本柱タイプのカーポートは、強風で本体がしなるように設計されているため、揺れを考慮しなくてはなりません。家屋との距離が近過ぎると、カーポートが揺れて外壁を傷つける可能性があります。
自宅はもちろん、隣家との距離にも注意してください。ご近所トラブルを避けるために、施工業者と相談しながら設置しましょう。
カーポートをあとから建てる場合の費用相場
カーポートをあと付けする場合の費用相場は、1台あたり30~60万円です。費用の内訳は、表の通りです。
費用内訳 | 金額 | 内容 |
カーポート本体費 | 10~50万円 | 本体の価格 |
組み立て施工費 | 10~15万円 | 組み立てる費用 |
基礎・土間工事費 | 現地調査次第 | 地面を覆うコンクリートの施工費 |
運搬費など諸経費 | 1,500円~ | 交通費・梱包費 |
基礎・土間工事費用は敷地の広さや地盤の状況、車の重量によって異なるため、現場の状況によって費用が変わります。
あとからカーポートを建てる手順
業者選びから設置完了までの流れを把握しましょう。カーポートには2本柱の片流れタイプや4本・6本柱タイプがありますが、大まかな設置の流れは変わりません。工事の導入・施工にかかる日数は、5〜9日程度です。ただし、天候や現場の状況によって延びる可能性は十分にあり得ます。
あとからカーポートを建てる流れは以下の通りです。
- 業者選びをする
- 見積もりを依頼する
- 施工を開始する
- 設置が完了
順番に見ていきましょう。
業者選びをする
外構やエクステリアを得意とするリフォーム会社を選びましょう。業者によって植栽やアプローチ、カーポートなど得意分野が異なります。ホームページで施工事例を確認して、カーポートの施工事例がある業者や得意とする業者を選ぶと良いでしょう。上吊り棚やおしゃれなコンクリートデザインを希望する場合は、事前に対応可能か問い合わせましょう。
見積もりを依頼する
依頼したい業者が見つかったら見積もりを依頼します。以下の方法で適正価格を見極めましょう。
- 2〜3社から相見積を取る
- 本見積を取る
相見積で工事内容と金額を比較検討すると、適正価格を把握できます。
本見積は、現地調査を行って正確な見積り額を算出します。現地調査をせずに契約すると、当初の予定額よりも跳ね上がる可能性があるため、本見積は必ず出してもらいましょう。
施工を開始する
契約後、カーポートの設置工事を開始します。施工者やカーポートの素材によって順序は変わるものの、大まかな流れは以下の通りです。
- 柱の位置を決める
- 地面の基礎工事をする(はつり工事・穴掘り)
- 柱を仮固定し、梁や母屋を組み立てる
- 柱を固定する
- 屋根材を設置する
はつり工事とは、既存のコンクリートを削る作業です。柱を垂直かつ水平に埋めてから梁や母屋などの骨組みを組み立てます。
設置が完了
仮固定していた柱が水平垂直になっているか確認したあとに、コンクリートを流し込んで屋根材を設置すれば施工完了です。ただし、大雨や雪が続くとコンクリートが固まるまでに時間を要するため、当初の施工予定よりも延びる可能性があります。
一般的なカーポートは固定資産税の対象外
柱と屋根だけで構成されているカーポートは固定資産税の対象外です。建物が固定資産としてみなされる条件を確認しましょう。
条件 | 基準 |
定着性 | 継続的にその場にあり続ける |
用途性 | 用途に合った空間が形成されている |
外気分断性 | 雨から人を守る性能がある (屋根があり、3方向以上壁がある) |
つまり、壁のあるガレージは固定資産としてみなされますが、一般的なカーポートは壁がないため固定資産税の対象外です。
あとからカーポートを設置してよかった理由
カーポートを設置したいと考えているものの、費用や施工までの手間などから悩んでいる方もいるかもしれません。カーポートを設置してよかったと感じるポイントを見ていきましょう。
- 外出が手軽になった
- 車が傷みにくくなった
- 車が暑くなりすぎない
- BBQやプールなどにも活用できる
気軽に外出できるようになるだけでなく、車の寿命の延長やほかのアクティビティでも活躍します。このように便利に感じている方は多いです。前向きにカーポート設置を検討しましょう。
反対に、カーポートを設置して後悔した事例
後悔した事例を見て、対策方法を検討しましょう。
- 室内が暗くなった
- 駐車やドアの開閉がしづらい
- 屋根サイズが小さい
カーポート本体や車のサイズ感を考慮しないと、取り付けても不便さを感じるかもしれません。どの事例もあらかじめ調べておけば対策できる内容です。
カーポートをあとから導入するならリフォーム会社がおすすめ
カーポートをあとから導入するなら、専門もしくはカーポートの設置工事を得意とするリフォーム会社がおすすめです。外構用品メーカーと提携している業者なら、保証の手厚さやサービスのきめ細やかさに期待できます。リフォーム会社のほかに、ホームセンターや外構工事専門業者などの選択肢もありますが、完成度や費用面を考慮するとリフォーム会社が最適です。
カーポートを設置して快適な生活を手に入れよう
あとからでもカーポートを設置すれば、車の寿命を延ばしつつ車の乗り降りや荷物の出し入れが快適になります。設置を検討しているなら、建ぺい率や埋設物の確認を先に行いましょう。自宅の状況によっては、設置に時間がかかったり最悪のケースだと設置できなかったりします。
カーポートの設置は高額かつ工事が必要なため、業者選びが重要です。工期の調整や金額の妥当性など、不安な点をすべてクリアにしてからの契約を推奨します。カーポートを設置して、住み心地のよい自宅にアップグレードしましょう。もし、リフォームに関してお困りでしたら、弊社にお気軽にご連絡ください。
Q:カーポートをあとから建てる場合の費用相場は?
A:1台あたり30~60万円です。基礎・土間工事費用は敷地の広さや地盤の状況、車の重量によって費用が変動します。
Q:あとからカーポートを設置するときの注意点は?
A:建ぺい率に注意する、建築確認申請をしないと違法になる、埋設物がないかチェックする必要がある、残土処理の必要がある、家屋に近づきすぎないの4つに注意しましょう。